愛してる?

第三回


その日は守と亜沙子は仲人に挨拶に行った。

その帰り偶然、繁華街で京子を見かけた。

京子は両わきに若い男を引き連れて上機嫌のようだった。

「さぁ・・・次の店行こう!!私がおごるから・・・・」

「いやぁ・・・松村さん・・・飲み過ぎですよ!今日はもう帰った方が良いですよ」

脇の男が言った。

「そうですよ・・・また今度って事で・・・」

別の男も困ったように言った。

「何言ってんのよ・・・若いんだから朝まで付き合いなさい!!」

京子はしつこく言った。

「ごめんなさい・・・今日はこれで失礼します・・・・」

そう言って男達は京子の腕をふり解いて帰ってしまった。

「なによぉ・・・ったくぅ・・・付き合い悪いんだから・・・」

その姿はあまり感じ良く見えなかった。

特に守にはふしだらな女の様に見えて許せなかった。

「京子!何やってんだよぉ!!」

守は京子に声をかけた。

「あらぁ・・・お二人さん・・・いつもお仲がよろしいようで・・・・」

二人を見つけた京子は上機嫌そうに答えた。

かなり酔ってるようだ

「どうしたのよ?京子らしくないじゃない・・・・」

亜沙子も言った。

「あたしらしくないって?これが私の本当の姿なのよ・・・それじゃねぇ・・・」

そう言ってフラフラと繁華街に向かおうとした。

「ちょっと待てよぉ!!」

守は強引に京子を引っ張った。

「何すんのよぉ!!あなたは亜沙子と仲良くやってれば良いじゃない

 私の事なんかほっといてよぉ!!」

「ほっとけないよぉ!!俺達は友達だろぉ?!」

「フフフ・・・友達ね・・・そうよね・・・友達だもんねぇ・・・解ったわよ帰るわよ

 アハハ・・・オトモダチってか・・・・」

京子は笑いながらフラフラと歩き始めた。

「おい・・・待てよ・・・・」

そう言って引き留めようとした守を亜沙子が制止した。

「なんだよ・・・あいつをこのまま行かせて良いのかよ?」

守は亜沙子の行動が理解できなかった。

「あなたが行かない方が良いと思う・・・・」

「何でだよぉ?!あのままほっとけないよぉ!!」

「京子・・・あなたの事好きなのよ・・・・」

予想もしなかった亜沙子の言葉に吃驚して

「何言ってんだよ・・・こんな時に冗談はよせよ・・・」

「冗談じゃないわよ!この間みんなで集まったときから気づいてたわ。」

「そんな・・・それじゃ俺はどうすりゃぁ良いんだよ?」

「どうしようもないわよ!それとも私との結婚やめて京子と結婚する?」

「それは・・・・」

「だったら後は京子が解決するしかないんだから・・・あなたが口出す事じゃないわ!」

亜沙子はきっぱりと言った。

この時、守は亜沙子の知らない顔を見たような気がした。

亜沙子は優しく面倒見の良い女性だと思ってたが・・・まぁそれは間違いないが・・・

京子に対してのこの態度はハッキリ言って冷たいと思った。

まぁ・・・言ってみれば恋のライバルなのだから仕方無いって言えば仕方無いが・・・

それとも結婚が決まった女の強さって言うか優越感みたいなモノだろうか?

そんな事より京子の事だ・・・このままほっとけないと守は思った。




つづく・・・