「すびぃばぁせぇーん・・・もう一杯おかわり下さい!!」
京子は多少ロレツが回らなくなっていた。 「おい!飲み過ぎだぞ!!いい加減にしろよ!!」 博文が注意した。 「大丈夫!大丈夫!・・・」 京子はニコニコしながら言った。 守と亜沙子と別れて博文と京子の二人は別の店で飲み直していた。 目の前に置かれたグラスを一気に飲み干して京子はまたおかわりを頼んだ。 「もうやめろ!!」 博文は強い口調で言った。 「良いじゃないのよぉ・・・・もう少し飲ませてよぉ・・・」 京子は目の前に置かれたグラスをまた飲み干そうとした。 そんな京子からグラスをひったくって 「なに自棄になってんだよ・・・・?」 「別に自棄になんかなってないわよ・・・・」 「じゃぁ・・・言ってやろうか?守が結婚するって聞いて自棄になってるんだろ?」 京子の動きが止まった。 「図星かぁ・・・・」 博文は少し悲しげに言った。 「俺も薄々は気づいてたよ・・・お前が守の事好きだって・・・・」 「別に・・・好きじゃないわよ・・・あいつの事なんか・・・好きじゃない・・・」 そう言って京子は、その場に泣き崩れた。 「他の事には自分の思った通りに行動する癖に恋愛に関してはオクテだな おもいっきり泣けよ・・・気が済むまで付き合うから・・・」 「ありがとう・・・・でも・・・独りにさせて・・・」 泣きながら京子は言った。 「大丈夫か?何なら家まで送ろうか?」 「大丈夫だから・・・もう飲まないから・・・ もう少し泣いたらちゃんと帰るから・・・だから・・・御願い・・・」 「そっか・・・解った・・・何か俺に出来る事有ったら携帯に電話しろ! すぐに駆けつけるから・・・・」 「ありがとう・・・・でも大丈夫だから・・・・」 「それじゃぁ・・・気をつけて帰れよ!!」 「うん・・・」 博文は席を立った。 振り返ると京子は泣き崩れていた。 京子に気づかれないように様子を見る事にした。 家に帰り着くまで見届けようと博文は思った。
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