愛してる?

第六回


穏やかな昼下がり、何をする訳でもなく亜沙子はボーっとTV見ていた。

折角の日曜なのだが今日は守が休日出勤のため独りで過ごす事になってしまった。

街に出てショッピングでも楽しめば良いのだが、何もする気にならないのである。

たまにはそんな休日も良いかなぁ・・・なんて事思ったりしていた。

トゥルルルルゥゥゥ・・・・トゥルルルルゥゥゥ・・・・

そんな静かな時間を壊すように電話のベルが鳴った。

「はい・・・三沢ですけども・・・・」

「亜沙子・・・?あたし・・・・」

電話の主はどうやら京子のようだ。

「京子・・・?どうしたの??」

「ちょっと・・・話したい事あるんだけど・・・そっち行って良いかな?」

らしくないなぁ・・・

いつもの京子なら有無も言わせず押し掛けるのだが・・・・

もしかして守との事・・・??

亜沙子はそんな事が脳裏をよぎった。

「何遠慮してんのよ・・・今何処にいるの?」

亜沙子は平静を装って答えた。

「ヘヘヘ・・・亜沙子の家の近くの電話ボックス・・・」

「じゃぁ・・・すぐにいらっしゃい!!待ってるから・・・」

亜沙子は電話切って深呼吸をした。

京子は何を言い出す気なんだろうか・・・?

いろんな事が亜沙子の頭の中を駆け巡った。


ピンポーン・・・・

電話を切ってから5分と待たずに京子はやって来た。

目の前の電話ボックスから電話したのだろう・・・・

ドアーを開ける前に亜沙子はもう一度深呼吸して気持ちを整えた。

「いらっしゃい・・・・」

笑顔で京子を部屋に迎え入れた。


「コーヒーで良いよね?」

亜沙子が台所でコーヒーを入れながら聞いた。

「ごめんね・・・急に押し掛けて・・・・」

京子は本当にすまなそうに言った。

亜沙子にはそれが逆に不気味に感じていた。

「なに・・・らしくない事言ってのよ!!で・・・話しって言うのは・・・??」

京子は少しうつ向き、静かにそしてゆっくりと口を開いた。

「あのね・・・守と別れて欲しいの・・・・」

きた!・・・

予想してた言葉がだったが、いざ言われてみると体が硬直して何も言えなくなってしまった。

「フフフ・・・なんて言うと思ったんでしょ?」

京子はニヤリとしながら言った。

「え?・・・」

「図星ね・・・」

「そんな事は・・・・」

亜沙子はシドロモドロになりながら答えた。

「何動揺してるのよ・・・っんな訳無いでしょ!」

京子はニヤニヤしながら言った。

「それじゃ何なのよ話しって・・・??」

亜沙子は憮然とした表情で言った。

「亜沙子が今夜から枕を高くして眠れる話しだよ」

「もったいぶらないで早く言いなさいよ!」

「あのね・・・私・・・博文と付き合う事にしたの・・・」

「えーーーーー?!」

亜沙子は本気で驚いた。

「なによぉ・・・そんなに驚かなくても良いじゃないの・・・」

京子は口をトンがらして言った。

「ごめんなさいね・・・でも・・・以外だったから・・・」

「そんなにおかしいかな?私と博文が付き合うのって・・・」

「そんなこと無いわよ・・・そうよねぇ・・・京子と博文はお似合いかもね・・・」

「でしょ!でしょ!」

妙に明るく振る舞う京子を見て亜沙子は一抹に不安を覚えた。

しかし亜沙子は何も言えなかった・・・




つづく・・・